受付の方に尋ねると、何でもメーカーからのお達しで、年内の登録は許可にならないそうなのです。
しかもマニュアル車しか設定が無いので、試乗希望者が見込めない恐れが有るので、年が明けてもディーラーとしては登録しない恐れがあるとのことでした。
非常に興味のあった『ポロ GTI 』ですが、今後も試乗は難しいとのことなので、ちょっと残念に思っていたのですが、代わりにこちらを乗ってみませんか?と『VW ゴルフ GTI 』を勧められました。
VWグループの同じ『 GTI 』グレードなので、乗り味が似ているらしいのです。
まさか『ゴルフ GTI 』が乗れると思って無かったので、お言葉に甘えて試乗させてもらうことにしました。
今回試乗として提供された『ゴルフ GTI 』は、”DSG”というマニュアルトランスミッションを機械が自動変速していくタイプの、いわゆる”クラッチレス車”なのですが、カタログによると2組のトランスミッションを並列に組み込んで、クラッチワークとシフトチェンジを電子制御化したものらしいのです。

その結果、この手のクラッチレス車としては異例の素早いシフトチェンジが可能となり、変速に掛かる時間が、わずか約100分の3〜4秒というのです。
今までにない機構のトランスミッションなので、一体どんな乗り味を見せてくれるのか、非常にワクワクしながらクルマの所まで案内してもらいました。
ちなみに今回の試乗で訪れたディーラーでは、近くの高速道路にて高速体験をして来ても構いませんし、その時に掛かった高速代はこちらが持ちますので、領収書を持って来て下さいと言うのです。
※つまり一人で乗って来て良いとのことなのです。
しかもジックリ試乗して来て構いませんので、だいたい一時間後に戻って来てもらえれば良いですよとのことも言われました。
何処の VW のディーラーでも同じことが言われるのか分かりませんが、とにかく輸入車を経験したことが無い方の為に、クルマをジックリ味わって戴きたいので、このようなサービスをしていますとの事でした。
※恐らくディーラーの方針よって変わって来ると思いますので、試乗される場合にはご確認されることをお薦めいたします。
”DSG”の取り扱いについて一通り説明を受け、早速試乗スタートとなりました。
ゴルフと言えば大衆車というイメージが強かったのですが、革張りのシートやステアリングの触り心地を確かめると、シートはシッカリと骨盤を押さえてくれますし、ステアリングは微妙に凹凸が付けられていて、しっくりと手に馴染むものでした。
この感触に全く大衆車といったイメージは有りませんでした。
※もっともこの『ゴルフ GTI 』の車両本体価格は、約350万円もするのですから、いまや大衆車とは呼べなくなってしまってますが。
今回初めて体験した”DSG”ですが、今まで試乗して来た”クラッチレス車”達と動きを比べたら、雲泥の差と言って良いほどシフトショックは有りませんし、変速速度もトルコン付きのオートマチック車よりも速いといった感じでした。
過去に乗ったことのある”クラッチレス車”を挙げると、
●トヨタ MR-S
●MCC スマート
●シトロエン C2
●アルファロメオ 147
といったところでしょうか。ここに挙げたクルマのどれと比べても、ゴルフの”DSG”は勝ってました。
でもそれぞれのクルマには、それぞれの個性がありますし、またそのクルマならではの良さがありますので、トランスミッションだけを取り上げて”ゴルフの勝ち”などと乱暴なことを言うつもりは有りませんが、少なくともオートマチックモード(トヨタ MR-S には有りませんが)の時の、発進時のギクシャク感やシフトチェンジ時のショックや繋がるタイミングなど、どれを取ってもゴルフの”DSG”が大きくリードしてました。
※リードしていると言うよりも、もはやこのトランスミッションで良いのではないか?!と思わされるくらい、オートマチックモードは運転しやすいし、マニュアルモードにしても気持ち良く切り替わって楽しいのです。自分は元々マニュアル派なのですが、この”DSG”に限っては積極的にチョイスしたいと思わされるトランスミッションでした。
高速道路を目指して一般道を進んで行ったのですが、ボディーがカチッとしていて路面の凹凸に対して不自然な”ねじれ”など全く感じさせず『これがドイツ車なんだよな。』と改めて作りの良さを感じました。
またモデルチェンジを繰り返すごとに肥大していたボディですが、見切りが良いお陰で手に余る感じはしませんでした。
やがて高速道路の乗り口に来たのですが、高速のチケットを受け取るときに不意に『ピンポーン』とクルマからチャイムが鳴りました。
何だろうとメーターパネルを覗き込むと、何やら英語でメッセージが出ているのです。
しかし後続のクルマなども居ましたので、ジックリと読むだけの余裕が無く、そのまま高速道路に乗ってしまいました。
『一体なんだったんだろう?!』と気にしながらも高速の合流にクルマを進め、2,000ccターボの加速力を試してみました。
ターボと言うとある回転数から急に強くトルクが出てくるイメージがあるのですが、『ゴルフ GTI 』に関しては、そういったことが全く無く、自然に力がみなぎって来るような、胸のすく加速を見せてくれました。
※先日の『アルファロメオ 147 TI(2,000cc)』と比べると、エンジンを回した時はターボの付いていない『アルファロメオ 147 』の方が気持ちよいのですが、力強さで見てしまうと『ゴルフ GTI 』の方が良いですね。
この日は横風が強く”80km規制”が出ていたのですが、そんな悪条件をものともせずに”矢のように”突き進んで行きました。
やはりアウトバーンのある国で育てられただけのことはあるな…と、高速安定性には妙に納得させられました。
この横風の中、一体どれくらいのスピードが出ているのだろうと、ふとメーターパネルを覗き込んだ所、フューエルインジケーターが黄色く点灯していることに気が付きました!!
先ほど、高速に乗る前に鳴ったあのチャイムは、このことを示していたのです!!
高速道路上でガス欠になると、免許の点数を減点されてしまうと記憶していたので、即刻減速し、次のパーキングエリアにガソリンスタンドがあることが分かっていたので、そちらまで持つように走りました。
パーキングエリアまで何とか辿り着いたのですが、せっかくだからと写真を撮ることにしました。





更に使い勝手はどうなのだろうかと思い、リアシートを倒してみました。


今までのゴルフは、ダブルフォールディングの後席座面が持ち上がるタイプだったと思うのですが、今回のゴルフからはシングルフォールディングに変えられてしまい、トランクルームと背もたれの間で段差が出来てしまい、床が水平になるといった今までのゴルフの良さが無くなってしまってました。
これはどの程度クルマを使うか?というところに関わってくるのですが、実用車として考えた時、ちょっと不便になったかな?!とは思いますが、恐らくリアシートの座り心地を優先させた物なのでしょうから、むげに否定することも出来ません。
※今回は一人で試乗に来てしまったので確かめられませんでしたが、きっと乗り心地は良いと思います。
ガソリンを給油し、改めて高速道路を走ったのですが、ステアリングを持つ手が緊張するようなことも無く、極めて安心して”80km規制”でユックリ走るクルマ達を横目に、矢のように走り切ることが出来ました。
やがて高速道路を降りて、一般道路(しかも田舎道)を進んで、ディーラーに戻ることにしました。
高速道路で見せた高速安定性とは裏腹に、だらしなく曲がりにくい…などと言ったことは全く無く、よくぞここまで両立させたなと思わされるほど、運転していて気持ちの良いハンドリングでした。
しかも対向車とすれ違うのに、ちょっと難儀しそうなくらい狭い路地に入っても、車両の見切りが良いので、全く不安になる事無くすり抜けることが出来ました。
せっかくの田舎道なので”DSG”のマニュアルモードを駆使して、色々と変速させてみたのですが、どの速度域でもスパスパと切り替わり、とても胸のすく走りを見せてくれました。
※試乗したクルマにはパドルスイッチが付いていなかったのですが、もし付いているクルマでしたら、恐らくもっと気持ちよく運転が出来たと思います。
ちなみにマニュアルモードで6速から減速していくと、順々に低いギアに切り替わり、停止する時には、キチンと1速に入るように設計されてますので、停まる際はズボラな運転をしても、全く平気でした。
また停止状態からの発進では、マニュアルモードにしておくと勝手に変速される様子は無かったので(レッドゾーンまで回してないので分かりませんが)、素早く加速したい時など便利そうな気がしました。
後続車や対向車の居ない所で、ブレーキングのテストもしてみたのですが、軽くタイヤが鳴るくらい強くブレーキを踏み込んでも、クルマの姿勢が崩れる事無くキチンと停まり、極端に前につんのめるような姿勢にも成りませんので、とても安心できるクルマと言えるでしょう。
あっという間に一時間が経とうとしていたのですが、今頃になって左腕用の肘掛があることに気が付きました。
横幅の大きい、たっぷりとしたサイズの肘掛なのですが、この一時間近く、ご厄介に成ることもなく、また疲れるようなことも無かったので、仮に付いていなかったとしても気に成らないような気がしました。
でもせっかくだからと、ちょっと使ってみたのですが、絶妙な高さと触り心地で、長距離を運転する際には欲しくなるかも…と、さっきとは全く逆のことを考えてしまいました。
ディーラーへ戻りクルマを返したのですが、何処を取っても痛痒の無い素晴らしいクルマでした。
ちなみに唯一気に成った点としては、発進の時に不用意にアクセルペダルを踏み込むと、勢い良く飛び出してしまうことくらいでしょうか?
ペダル自体が重めにセッティングされているので、反発力で踏み込みが足りないかな…と踏み込み過ぎてしまう傾向があるのです。
でもこれは個人差だと思いますし、5分も乗れば慣れてしまうので、全く気に成らないと思います。
350万円近くするクルマなので、おいそれと乗ることは出来ませんが、余裕が出て来たら是非乗ってみたいクルマの一つになりました。
それもマニュアルではなく、”DSG”の方です。
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